「AIで稼ぐ方法、教えます」。そういう情報が、次々と流れてきます。
稼げるなら、いいことです。ただ、始める前に、ひとつだけ確かめたいことがあります。その副業は、何を売っているのか。
「稼ぐ方法」を売る、という商売
世の中には、二種類の商売があります。
ひとつは、実体のあるものを売る商売。モノでも、サービスでも、誰かの困りごとを解決して、その対価をもらう。
もうひとつは、「稼ぐ方法」そのものを売る商売です。「これで稼げます」という、その方法を、商品にする。
AI副業として流れてくるものの中には、後者が、かなり混じっています。よく見ると、売っているのは、AIで作った何かではなく、「AIで稼ぐ方法」。買った人は、その方法を学んで、今度は自分が、「AIで稼ぐ方法」を、次の人に売る。
連鎖が、商品になっている
ここで、起きていることを、整理します。
実体のあるものを売る商売なら、お客様に、価値が届きます。困りごとが、解決する。
でも、「稼ぐ方法」を売る商売は、買った人が、また売る側に回ることで、広がっていきます。商品が、方法の連鎖そのものになっている。実体は、どこにもありません。
このとき、本当に手元にお金が残るのは、連鎖の、ごく最初にいた人たちだけです。後から入った人は、方法を買い、それを売る側に回り、また次の人に売る。新しく買う人がいる限り、回り続けます。でも、買う人がいなくなれば、止まる。止まったとき、最後に方法を買った人の手元には、何も残りません。
これは、誰かを責める話ではありません
念のため、書いておきます。これは、「AI副業をやっている人は悪い」という話ではありません。
人を責めても、何も解決しないからです。それに、この連鎖の中にいる人の多くは、自分が連鎖の何番目にいるか、気づいていません。「いい方法を見つけた」と思って、善意で広げている人も、います。
これは、構造の話です。そして、自分に返ってくる話でもあります。
自分が売ろうとしているのは、どちらか
だから、副業を始める前に、一度、確かめてみてください。
自分が売ろうとしているのは、実体のあるものか。それとも、「稼ぐ方法」か。
お客様の手元に、何かが残るか。困りごとが、解決するか。それとも、自分が買った方法を、ただ次の人に渡しているだけか。
AIは、ここでも、ただの道具です。「AIで稼ぐ」は、AIが何かを生み出してくれる、という意味ではありません。AIを使って、自分が、実体のある何かを作れるか。問われているのは、そこです。
実体のあるものは、連鎖が止まっても、残ります。実体のないものは、連鎖が止まれば、消えます。
あなたが作ろうとしているのは、どちらでしょうか。