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信頼される記事の書き方:根拠の示し方と、やってはいけないこと

2026 6/25
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マーケティング
2026年6月25日
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ネットには、情報があふれています。でも、信頼できる情報は、いまも、そう多くありません。だからこそ、信頼できる記事を書ける人は、際立ちます。これは、AIが文章をいくらでも作れるようになった、いまのほうが、はっきりしてきました。

この記事では、読んだ人に信頼され、また戻ってきてもらえる記事の書き方を、具体的にお話しします。小手先のテクニックではありません。根拠を示すこと、事実と自分の考えを分けること、そして、書かないことを決めること。この三つが、軸です。

目次

ネットの情報は、いまも「信頼」されていない

総務省の研究所が、毎年、メディアの信頼度を調べています。その最新の調査(令和6年度)で、「このメディアは信頼できるか」を聞いた結果が、これです。

年代新聞テレビインターネット雑誌
全年代59.958.227.015.7
10代57.952.124.318.6
20代50.046.828.017.4
30代43.043.529.117.3
40代54.954.631.719.0
50代66.463.033.015.2
60代69.466.422.513.3
70代71.172.118.511.4

※ 数字は「信頼できる」と答えた人の割合(%)。総務省情報通信政策研究所「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」より。「全部信頼できる」「大部分信頼できる」と答えた人の合計です。

全年代では、いちばん高いのが新聞で、約60%。テレビが、すぐ下に続きます。そして、インターネットは、27%。新聞やテレビの、半分にも届きません。

年代別に見ても、この図は、変わりません。ふだんいちばんネットを使っている20代から40代でも、ネットを信頼する人は、3割ほど。どの年代でも、ネットは、新聞やテレビに、遠く及んでいません。これだけネットが生活に入り込んだいまでも、ネットの情報は、まだ、それくらいしか信じられていない、ということです。

さらに、同じ調査で、面白い差が出ています。「いち早く知りたい」とき、人がいちばん使うのは、インターネット。でも、「信頼できる情報を得たい」とき、いちばん使うのは、テレビなんです。ネットは、速いけれど、信じられてはいません。これが、いまの正直な姿です。

理由は、はっきりしています。ネットは、誰でも、根拠を出さずに、書けてしまいます。だから、確かめられていない話や、売るための話が、大量に混じります。情報は爆発的に増えたのに、信頼できるものは、増えていません。

でも、これは、裏を返せば、好機です。みんなが信頼を置き去りにしている場所で、あなたが、信頼できる記事を書く——それだけで、あなたは、数少ない一人になれます。

検索の上位を、そのまま信じない

記事を書くとき、いちばんやってはいけないのは、検索結果の上位を、そのまま写すことです。上位に出ているから正しい、とはかぎりません。検索で上に出すための技術を使えば、中身が薄くても、上位に並べられるからです。

実際、2016年に、大きな事件がありました。DeNAという大手企業が運営していた、健康・医療の情報サイト「WELQ(ウェルク)」です。「肩こりは、幽霊が原因かもしれない」といった、医学的根拠のない記事を、素人のライターにいくつも書かせ、検索の上位を埋めていました。専門家のチェックもないまま、毎日、大量に出していたんです。命に関わる分野で、これは、危ういことでした。批判が集まり、運営会社は、最後、すべての記事を取り下げました。

検索の上位を写すことは、こういう記事を、知らないうちに、自分のサイトで繰り返すことになりかねません。上に出ているかどうかと、正しいかどうかは、別の話です。そこを、混ぜないでください。

信頼は、「根拠」から生まれる

では、信頼される記事には、何があるのか。答えは、根拠です。「こうです」と言い切るだけでなく、「なぜなら、こうだから」を、添えます。これがあるかないかで、同じ内容でも、信じてもらえるかどうかが、変わります。

根拠は、難しいものでなくて、いいんです。いちばん強いのは、あなた自身の経験です。実際にやってみて、どうだったか。何が起きて、どう変わったか。やった人にしか書けない、具体的なところ。これが、いちばん人を動かします。私たちが買い物をするとき、お店の説明より、使った人のレビューを読んでから決めるのは、そのためです。

経験のない話なら、信頼できる機関が出している情報を、正しく引いてきます。数字や、出どころのはっきりした事実を、添えます。どちらにしても、「なぜそう言えるのか」を、読む人に示すこと。これが、根拠です。目安は、ひとつ。その記事を、家族や友達に、自信を持って見せられるかどうか。見せられないなら、まだ、出すときではありません。

事実と、自分の考えを、分ける

もうひとつ、信頼を分けるところがあります。事実と、自分の考えを、混ぜないことです。

「これは、調べて確かめた事実」「これは、私がそう思っているだけの意見」。この二つを、はっきり分けて書きます。分けずに、自分の推測を、事実のような顔をして書いてしまうと、読む人は、判断を誤ります。そして、あとで食い違いが出たとき、あなたの信頼は、一気に崩れます。

正直な書き手は、「ここからは、私の考えです」と、ちゃんと断ります。「確かなことは、ここまで。その先は、まだ分かっていません」と、言えます。知らないことを、知らないと言えること。これは、弱さではありません。むしろ、それを言える人のほうが、信用されます。分からないことまで分かったふりをする人は、いつか、見抜かれるからです。

引用は、正しく。文化庁が示すルールがある

人の文章や、調べた結果を借りるときは、正しく「引用」します。じつは、これには、国が定めたルールがあります。著作権法の第32条と第48条にあり、文化庁が、その条件を示しています。むずかしくはありません。記事を書くときに、押さえておきたいのは、次のところです。

  • すでに公表されているものを使う
  • 引用する部分を、カギ括弧などで、自分の文章と、はっきり分ける
  • 自分の文章が「主」、引用は「従」。引用ばかりの記事にしない
  • 借りるのは、必要な分だけにする
  • 勝手に書き換えない。元のまま使う
  • 出どころを示す。サイトなら記事名・サイト名・URL、本なら著者名・書名・出版社など

これは、ただの形式ではありません。その文章を書いた人は、時間と手間をかけて、それを作っています。だまって自分のもののように使うのは、その労力を、踏みにじることです。出どころを示すのは、借りたものに、礼を尽くす作法です。

そして、もうひとつ。出どころを示すと、あなたの記事の信頼も、上がります。「この人は、ちゃんと裏を取っている」と、伝わるからです。引用を正しくすることは、相手への礼儀であり、同時に、あなたの記事を、強くします。

AIが記事を量産する時代に、効くもの

いま、AIを使えば、それらしい記事を、いくらでも、すぐに作れます。だから、ネットは、似たような、当たりさわりのない記事で、あふれかえっています。検索しても、どれも同じことが書いてある——そう感じることが、増えたのではないでしょうか。

こういう時代に、効くのは、AIには出せないものです。あなたが、実際に体験したこと。あなたが、自分の頭で考えて、出した判断。そして、確かなことと、そうでないことを、正直に分ける姿勢。この三つは、誰かの文章を混ぜて作る機械には、出せません。あなたにしか、書けないものです。

だから、AIで誰でも記事を作れるようになったいまこそ、信頼できる記事の価値は、下がるどころか、上がっています。みんなが、同じような中身のないものを量産するほど、本物が、際立つからです。

事実だけでは、届かない

根拠が大事だと言うと、こう思うかもしれません。「では、数字や事実だけを、淡々と並べればいいのか」。でも、それだと、人は、読んでくれません。事実だけの文章は、正しくても、心には、入ってきません。あなたにも、覚えがあるはずです。

人を動かすのは、事実に、感情が乗ったときです。たとえば、健康食品を紹介する、テレビ番組。研究らしい数字が出て、そのあとに、それで人生が変わった人の、うれしそうな顔が、映ります。根拠と、感情。この二つが混ざると、とても強くなります。ついつい、見入ってしまいます。

ただ、ここに、落とし穴があります。ああいう番組は、たいてい、感情のほうが本物で、根拠のほうが、薄いんです。都合のいい一例を、研究っぽく、見せているだけ。感情で信じさせて、土台の事実は、ぐらついています。これが、いちばん、危ない形です。

だから、目指すのは、その逆です。感情で、ちゃんと引き込みます。そして、その下の根拠も、本物にします。事実だけでは、届きません。感情だけでは、危ういんです。その両方を、本物にすること。これが、信頼される書き手の、いちばん難しくて、いちばん強いところです。

タイトルも、読み手との約束

最後に、ひとつ。信頼は、本文だけの話では、ありません。じつは、いちばん最初の、タイトルから、始まっています。

タイトルは、読み手との、約束です。「これを読めば、これが分かる」。そう約束して、人を、中へ招き入れます。だから、その約束は、本文で、ちゃんと果たさなければなりません。

果たさないと、どうなるか。ネットニュースの見出しを、思い浮かべてください。続きが気になる、うまい見出し。つい、開きます。でも、読んでみると、たいした中身も、落ちも、ありません。事実は事実だけど、なんだか、もやもやする——あれは、事実が悪いのではありません。約束を、破られたからです。釣られて入ったのに、そこには、何も、ありませんでした。そういう相手のところへ、人は、二度とは来ません。

だから、タイトルで言ったことは、本文で、果たします。もし、果たせるだけの中身が、その記事にないのなら、約束のほうを、小さくします。三百字の話に、「人生が変わる」とは、打ちません。尺と中身に、約束を、合わせます。果たせる約束だけを、します。それも、誠実さの、ひとつです。

本文では、確かめていないことを、書きません。タイトルでは、果たせない約束を、しません。入り口でも、中でも、読み手を、裏切らない——これが、信頼される記事の、芯だと思います。

タイトルは、読み手への約束事。少なくとも、私は、そう思っています。


出典・参考

  • 総務省情報通信政策研究所「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(2025年6月公表)  https://www.soumu.go.jp/iicp/research/results/media_usage-time.html
  • 文化庁「著作権」 ― 引用(著作権法第32条)・出所の明示(同第48条)に関する解説  https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/
  • 「WELQ(ウェルク)」全記事の非公開化(2016年11月)― 株式会社ディー・エヌ・エーの発表および各社報道による
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