文章で、いちばん大事なものは、何だと思いますか。
私は、読みやすさだと思っています。
どれだけ良いことを書いても、読みにくければ、最後まで読んでもらえないからです。読まれなければ、書いていないのと、同じです。
では、どうすれば読みやすくなるのか。分かりやすい文章には、書き方があります。決まったやり方を知って、その通りに書きます。それだけで、伝わる文章になります。
いまは、たいていの文章を、AIが整えてくれます。誤字も、言い回しも、構成も、頼めばそれなりに仕上げてくれます。便利な時代になりました。
でも、文章の細かいところは、人間が気づかないと、意外と分からないものなんです。主語と述語の、わずかなずれ。修飾語が、思わぬ言葉にかかっていること。読んだときの、なんとなくの違和感。——そこに気づけるのは、書き方を知っている人だけです。
これから、AIに頼り切った文章ばかりになる時代が来ます。そのとき、ひときわ目立つのは、基本を押さえた人です。AIが出はじめたころ、「コードはAIが書いてくれる」「なくなる仕事がある」と、いろいろ言われました。でも、結局つよいのは、基本を押さえて、出てきたものを直せる人です。文章も、同じだと思っています。
だから、まず書き方を、押さえておいてください。その書き方を、種類ごとに分けて、下に並べました。上から順に読んでいけば、文章は少しずつ読みやすくなります。気になる種類は、「詳しく読む」から深く読めます。
1. 一文を、ただす
文章の、いちばん小さな単位は、一文です。ここがぐらつくと、何を書いても伝わりません。
主語と述語を、かみ合わせる。 「何が」「どうした」がずれると、意味が通りません。書き終えたら、主語と述語だけを抜き出して、読み返します。
一文を、短く切る。 一文が長いと、山場が見えなくなります。一文に入れる内容は、二つまで。
修飾語は、かかる言葉のそばに置く。 飾る言葉が遠いと、どこにかかるのか、読み手を迷わせます。すぐ前に、置きます。
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2. 中身を、はっきりさせる
何を伝えたいのか。それがぼやけると、どれだけ整えても響きません。まず、伝えたいことを、はっきりさせます。
テーマを、一つに絞る。 一つの記事に、一つのテーマ。あれもこれも詰め込むと、結局なにも残りません。
結論を、先に出す。 日本語は、最後まで読まないと意味が決まりません。先にゴールを見せれば、読み手はついてきます。
理由と具体例で、深める。 結論だけでは「なぜ?」が残ります。理由を添え、具体例で腑に落とします。
数字や日付は、具体的に書く。 「10年前」では、いつの話か分かりません。「2016年に」と書けば、いつ読まれても、ずれません。
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3. 言葉を、えらぶ
同じ中身でも、言葉ひとつで、伝わり方が変わります。むずかしいほうではなく、分かるほうを選びます。
むずかしい漢語を、やわらかくする。 「使用する」を「使う」に。「確認する」を「確かめる」に。漢字が続くと、固く、重く見えます。
専門用語には、ひとこと添える。 業界の言葉は、知らない人には壁になります。使うなら、すぐ横に、短い説明を。
聞き慣れないカタカナを、避ける。 横文字は、賢く見えても、読み手を遠ざけます。日本語で言えるなら、日本語で。
オノマトペで、情景を見せる。 「雨が降る」より「雨がしとしと降る」。短い言葉で、情景がぱっと浮かびます。
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4. いらない言葉を、削る
文章は、足すより、削るほうが効きます。なくても伝わる言葉を、抜いていきます。
多すぎる副詞を、減らす。 「とても」「かなり」を連発すると、かえって薄く見えます。具体的な言葉に、置きかえます。
二重否定を、言い切りに変える。 「少なくない」より「多い」。否定を重ねると、回りくどく、伝わりません。
二重表現を、削る。 「頭痛が痛い」「あらかじめ予約する」。意味の重なりは、片方で足ります。
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5. 見た目と、リズムを、ととのえる
中身が良くても、見た目で読まれないことがあります。最後に、目とリズムを、ととのえます。
改行とスペースで、リズムをつくる。 ぎっしりした塊は、読む前に敬遠されます。改行の間隔を、ばらつかせます。
読点を、打ちすぎない。 一息で読めるところまで「、」で刻むと、かえって読みにくくなります。必要なところにだけ、打ちます。
同じ言葉も、同じ語尾も、続けない。 近くで繰り返すと、文章が幼く見えます。言いかえる。語尾の形を、変える。
「」を、効かせる。 ここぞ、という言葉を、際立たせます。ただし、使いすぎると、効き目が消えます。
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さいごに
書き方は、覚えてしまえば、ずっと使えます。全部を一度にやる必要は、ありません。気になったものから、ひとつずつ。書き直すたびに、あなたの文章は、読み手に届くようになります。
そして、これからの時代は、ここを押さえているだけで、ちがいが出ます。AIに整えてもらった文章を、最後にもう一度、自分の目で見直せます。その一手間が、効いてきます。