内容を、整えてきました。最後は、見た目とリズムです。中身が同じでも、ぱっと見て読みやすそうか、声に出してリズムよく読めるか。ここで、最後まで読まれるかどうかが変わります。
整えるのは、四つ。改行とスペース、読点の打ち方、同じ言葉と語尾の繰り返し、そして「」の使いどころ。仕上げの工程です。
改行とスペースで、リズムをつくる
スマホで記事を開いたとき、文字がびっしり詰まっていると、それだけで、読む気が失せます。中身を見る前に、閉じられてしまいます。もったいない話です。
ちょうどいいのは、二、三行で改行して、その間隔をばらつかせることです。
| 良いリズム | 悪いリズム |
|---|---|
| 2行 → 1行 → 3行と、ばらつかせる | 同じ間隔で、きっちり改行する |
| 段落のあいだに、一行あける | 行間に、すきまがない |
やってはいけないのは、次の三つです。
- びっしり詰まった、黒い塊
- 一行ごとの、こま切れの改行
- 段落のあいだに、すきまがない
詰まりすぎず、空きすぎず。三行前後で、ひと区切り。それくらいが、目で追いやすい間隔です。
見つけ方:書いたら、パソコンではなく、スマホで開いて見ます。ぱっと見て黒いな、と感じたら、改行を足します。
読点を、打ちすぎない
読みやすくしようとして、読点を打ちすぎることがあります。でも、打てば打つほど、読みやすくなるわけではありません。
たとえば、この一文です。
私は、昨日、駅前の、新しくできた、カフェに、行きました。
ていねいに区切ったつもりです。でも、こま切れすぎて、かえって読みにくくなります。読点を、減らします。
私は昨日、駅前に新しくできたカフェに行きました。
ひと息で、すっと読めます。打つのは、意味の切れ目と、ひと息つく場所だけ。それで足ります。
見つけ方:声に出して読んで、息を吸わないところの読点を、消します。
同じ言葉も、同じ語尾も、続けない
近いところで同じものが繰り返されると、文章が、くどく、単調になります。気をつけるのは、三つです。
一つめ。同じ語尾の連続。
昨日は雨でした。傘を持っていませんでした。だから、びしょ濡れになりました。風邪をひきそうでした。
「ました」が、四回。間違いではありません。でも、お経のように、平坦に聞こえます。語尾の形を、ばらします。
昨日は雨。傘を持っていなくて、びしょ濡れです。風邪をひいたかもしれません。
二つめ。同じ言葉の連続。
私の仕事は、人にものを教える仕事です。
「仕事」が、二回。くどいです。片方を、削ります。
私の仕事は、人にものを教えることです。
三つめ。「の」の三連続。
弟の部屋の机の上の本。
「の」が、四つ。幼く見えます。言いかえて、減らします。
弟の部屋にある、机の上の本。
見つけ方:近くで、同じ語尾、同じ言葉、「の」が三つ以上、続いていないか。一つ見つけたら、別の言い方にできないか、考えます。
「」を、効かせる
「」は、言葉を際立たせます。ここを見てほしい、という合図になるからです。
たとえば、こう書くより、
大事なのは続けることです。
こう書くと、目が止まります。
大事なのは、「続けること」です。
「続けること」が、ぱっと目に入ります。ただし、効くのは、たまに使うからです。一つの文章に「」がいくつも出てくると、どれも目立たなくなります。強調が、強調でなくなります。ここぞ、という言葉に、一つ。それが、いちばん効きます。
見つけ方:一つの段落に、「」がいくつあるか、数えます。多すぎたら、いちばん効かせたい一つだけ、残します。
見た目とリズムは、書き終えたあとの、最後の仕上げです。声に出して、一度、読んでみてください。つっかえるところ、息が苦しいところ、目が滑るところ。そこに、直すヒントがあります。読み手は、その文章を、あなたと同じようには読みません。だからこそ、自分で読んで、引っかかりを見つけておくんです。