部下と目標を立てるとき、高さで迷います。
「来月から、件数を倍にする」。高すぎる目標は、最初の週で本人の中で終わります。届かないと分かった目標に向かって、人は動き続けません。
「今月も、先月と同じ件数をこなす」。低すぎる目標は、達成しても何も変わりません。慣れた仕事を、慣れたとおりにやるだけです。
先に一つ書いておきます。ここで書く高さは、本人と一緒に決める目標の高さです。上から渡すノルマを上げる理由に使うと、本人にとっては、高すぎる目標と同じになります。
三つの輪で、高さを見る

人ができることを、三つの輪で見ます。
- 慣れた:もう考えずにできること。ここにいるあいだは、楽だが伸びない
- 学び:少し背伸びをすれば届くこと。迷いながら、やり方を変えながら進む
- パニック:何から始めればいいかも分からないこと。ここに入ると、人は固まる
目標は、真ん中の「学び」の輪に決めます。今よりも少し上。何をすればいいかは見えているが、今のやり方のままでは届かない高さです。
輪の大きさは、人によっても仕事によっても違います。同じ「新しいお客様を担当する」でも、ある人には学びで、別の人にはパニックでしょう。だから高さは、上の人が一人で決めず、本人と話して決めます。
本人と一緒に、高さを決める
高さを決めるときは、本人に次の3つを聞いてください。
- 「これなら、もう考えずにできる」と思うことは何か
- 「やってみたいが、一人では不安」なことは何か
- 「今の自分には、何から始めればいいか分からない」ことは何か
二つ目の答えが、学びの輪です。目標は、そこから選びます。
本人の答えと、上の人の見立てがずれることもあります。本人が慣れていると言うことを、上の人はまだ危ないと見ている。そのずれも、話して合わせる所です。
決めた目標から、時間の使い方をたどる
目標が決まったら、そこから逆に、今週の時間の使い方まで下ろします。
- 一年後に、どうなっていたいか
- そのために、半年後と3か月後に、何ができていればいいか
- 今週、何に時間を使うか
今週の時間の使い方が目標とつながっていなければ、目標は紙の上にだけ残ります。週に一度、使った時間を目標と見比べてください。
目標を立てるときに使う型
- 8-2 ゾーン図:任せた仕事が、簡単すぎるのか難しすぎるのか分からないとき
- 15 一年後から逆算する目標表:目標が、去年の延長しか出てこないとき
- 15-1 Will・Can・Must:本人のやりたいことと、求められることが噛み合わないとき
- 10-2 バックキャスティング:目標が、去年の延長しか出てこないとき
まとめ
目標が高すぎると人はあきらめ、低すぎると伸びません。目標は三つの輪の真ん中、「学び」の輪に、本人と一緒に決める。決めたら、そこから今週の時間の使い方までたどる。
次の面談では目標を伝える前に、「やってみたいが、一人では不安なことは何か」を聞いてみてください。
