考えをまとめようとして、何も書き出せなくなることがあります。

何から書けばいいのか。これで合っているのか。人に見せて恥ずかしくないか。考えているうちに、白い紙は白いまま、時間だけが過ぎていきます。

頭の中では、何かを考えているつもりです。でも、外に出していないものは、自分でも見えません。見えないものは、まとめようがありません。

だから、まず書きます。

フリーライティングという書き方

フリーライティングは、時間を決めて、その間はペンを止めずに書き続ける方法です。1970年代に、アメリカの文章の先生、ピーター・エルボーが、文章の書き方の本の中で広めました。

決まりは、三つだけです。

  • 止めない:時間が来るまで、書き続ける
  • 直さない:書いたものを、その場で消したり直したりしない
  • うまく書こうとしない:字や文の形は、気にしない

書くことがなくなったら、「書くことがない」と書きます。それも、止めないための一行です。

書いてみるまで、分からないことがある

フリーライティングをすると、書く前には思ってもいなかった言葉が出てきます。

「最近、仕事がつまらない」と書き始めた人が、書き続けるうちに「教えるのは、わりと好きかもしれない」と書いていた。そういうことが起きます。頭の中で考えているだけでは、出てこなかった言葉です。

考えてから書くのではなく、書きながら考える。書いていると、頭の中のものが外に出てきます。外に出たものは、あとから読み返します。読み返すと、自分が何を考えていたかが見えてきます。

行動しないと、何も出てきません。書き出す癖がつくと、考える力が育ちます。

書いたものを、型でまとめる

書き出したものは、整っていません。話はあちこちに飛び、同じことを何度も書いていたりします。それでいいのです。まず出すことが目的だからです。

まとめるのは、そのあとです。

読み返して、気になった言葉を三つ選びます。その言葉に合う型を使って、考えを整理します。「教える順番が毎回ちがう」が気になったなら、教える順番を決める型を。「分かりましたは返事だった」が気になったなら、伝わったかを見直す型を。

型は、書き出したものを、見やすく、理解しやすくするための道具です。自分が分かるために使い、人に伝えるためにも使います。

このサイトでは、フリーライティングのための用紙を、型のない用紙として用意しています。真ん中に大きな空白があり、下に「気になった言葉」と「次に使う型」を書く欄があるだけの、何も決まっていない用紙です。フレームワークシートの番号では「0」、すべての型の手前の一枚です。

書けば、何か始まる

うまく書けなくても、いいのです。誰かに見せる必要もありません。

5分だけ、ペンを止めずに書いてみてください。書き終わったとき、紙の上には、書く前にはなかったものがあります。

書けば、何か始まります。

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