報告書を書こうとして、とりあえず書き始める。書いているうちに話があちこちに飛ぶ。読み返すと、何を頼みたいのかが最後まで出てこない。
書き始める前に、決めておくことがあります。決めてから書けば、途中で迷う場面は減るでしょう。読む人も、最初の数行で何の資料かが分かります。
- 書く前:①誰が読み、読んだあと何をしてほしいか ②読む人が先に知りたいことの順番 ③仮の題 ④見出し
- 書く:⑤最初の3行 ⑥見出しごとの本文
- 書いたあと:⑦題の付け直し ⑧出す前の見直し

書く前に決める
① 誰が読み、読んだあと何をしてほしいかを決める
報告書を読むのは、上の人のことも、隣の部署のことも、お客様のこともあります。読む人によって知りたいことは違います。
そして、読んだあとにしてほしいことを一つ決めてください。承認してほしいのか、知っておいてほしいのか、人を出してほしいのか。これが決まらないまま書くと、読む人は最後まで読んでも何をすればいいかが分かりません。
② 読む人が先に知りたいことから、順番を決める
読む人は、自分に関係のあることを先に知りたいと思っています。報告やお願いなら、結論とお願いが先です。いきさつは後ろに回します。
今日開いているかを知りたくて店のページを開いたのに、営業時間がいちばん下にあったら、探すだけで疲れてしまいます。報告書も同じです。読む人がいちばん知りたいことを、いちばん上にしてください。
③ 仮の題を付ける
題を仮に付けます。メールなら件名です。読む人がそれを見ただけで、何の話で何をすればいいかが分かる題にしてください。
たとえば、こう書くより、
プロジェクターについて
こう書いたほうが、開く前に用件が伝わります。
会議室のプロジェクター交換のお願い(5月中)
④ 見出しを先に並べる
本文を書く前に、見出しだけを並べます。見出しだけを拾い読みして話の流れが分かれば、半分はできたようなものです。並べ方は、資料の種類で変わります。
- 結論が先の形:報告、お願い。結論、理由、くわしいことの順
- 手順の形:やり方の説明。全体の流れ、一つずつの手順、つまずくところの順
- 並べる形:注意点、点検の項目。大事な順に並べる
見出しを先に決めておくと、書いている途中で話がそれても、どこに戻ればいいかが分かります。見出しの下も、書きやすくなります。
書く
⑤ 最初の3行で、何の資料かを示す
読む人は、最初の数行で続きを読むかどうかを決めます。最初の3行には、何の資料か、読む人に何をしてほしいか、いつまでかを書いてください。
会議室のプロジェクターの交換をお願いします。今月、映らない日が3回あり、6月の説明会までに直しておきたいためです。費用は約8万円で、5月20日までにご判断ください。
ここまで読めば、読む人は何を決めればいいかが分かります。くわしい比較や見積もりは、その下に続ければ十分です。
⑥ 見出しごとに、結論、理由、具体例の順で書く
見出しの下は、まず見出しへの答えから書きます。読む人がまず知りたいのは、答えだからです。答えを読むと「なぜ」が生まれるので、すぐに理由を書き、そのあとに具体例や数字を続けてください。
見出しごとに、この順番を繰り返します。どの見出しから読み始めても答えが最初にあるので、読む人は迷いにくくなります。
書いたあと
⑦ 題を付け直す
書いているうちに、中身は変わるものです。3つの理由を書くつもりが、2つになることもあるでしょう。書き終えたら、題がいまの中身と合っているかを見て付け直します。
⑧ 出す前に見直す
書いた直後は、頭の中で言葉を補いながら読んでしまいます。出す前に、読む人の目で読み直してください。
- 時間をおいて読む:できれば一晩おく。書いたときには気づかなかったずれに気づく
- 声に出して読む:つっかえるところに、ねじれた文がある
- 数字、日付、名前を元の資料と見比べる:一つ違うだけで、資料全体が疑われる
- 読む人の立場で読む:これを読んで、何をすればいいかが分かるか
- 読まれる画面で開く:スマホで読まれるなら、スマホで開いて見る
報告書を書くときに使う型
- 21 報告の型シート:報告を聞いても、結局どうしてほしいのか分からないとき
- 21-1 SBAR:状況、背景、考え、お願いの順で、短く伝えたいとき
- 5-2 5W1H:引き継ぎや報告に、抜けが出るとき
一文ずつの書き方は、「読みやすい文章には、書き方がある」から続く6本の記事に分けて書いています。
まとめ
書き始める前に、誰が読み、読んだあと何をしてほしいかを決める。先に知りたいことの順に見出しを並べる。書いたあとに題を付け直し、出す前に見直す。順番を決めてから書けば、読む人は最初の3行で何をすればいいかが分かります。
次の報告書は、本文より先に、見出しを3つ並べるところから始めてみてください。
